欠席時対応加算とは — 制度の基本ルール#
欠席時対応加算は、日中活動系サービスの利用者が事前の連絡なく欠席した場合や、やむを得ない理由で欠席した場合に、事業所が利用者やその家族に対して連絡調整や相談援助を行った際に算定できる加算です1。
日中活動系サービスでは、利用者の体調変動や精神面の不調等により突発的な欠席が発生することがあります。欠席時対応加算は、こうした場合に事業所が適切なフォローアップを行うことを評価する仕組みです。
単位数と算定単位#
| 加算名 | 単位数 | 算定単位 | 上限 |
|---|---|---|---|
| 欠席時対応加算 | 94単位 | 1回につき | 1月あたり4回まで |
欠席時対応加算は、利用者1人につき1月あたり最大4回まで算定できます(94単位 × 4回 = 376単位/月)1。
算定要件チェックリスト#
欠席時対応加算を算定するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります2。
欠席の要件#
- 利用者が事前に利用を予定していた日に欠席したこと
- 急病その他やむを得ない理由により欠席したこと
事業所の対応要件#
- 欠席した利用者またはその家族等に対して連絡を取ったこと
- 利用者の体調や状況を確認したこと
- 必要に応じて相談援助を行ったこと
- 以下の内容を記録に残したこと:
- 欠席日
- 欠席理由
- 連絡・相談援助の内容
- 連絡を行った職員名
算定できないケース#
- 利用者が事前に欠席を予定していた場合(予定された休み)
- 事業所の休業日に該当する日
- 連絡・相談援助を行わなかった場合
- 同月に5回以上欠席した場合の5回目以降(上限4回)
対象サービス#
欠席時対応加算は、以下の日中活動系サービスで算定できます1。
- 生活介護
- 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
- 就労移行支援
- 就労継続支援A型
- 就労継続支援B型
注意: 施設入所支援やグループホーム等の居住系サービス、在宅系サービスでは算定できません。
実務上の注意点#
「やむを得ない理由」の判断#
欠席時対応加算の算定においては、利用者の欠席が「やむを得ない理由」によるものであることが必要です。具体的には以下のようなケースが該当します2。
算定対象となる欠席理由の例:
- 急な体調不良(発熱、頭痛、精神面の不調等)
- 通院の都合(急な通院、検査日の変更等)
- 家庭の事情(家族の急病、緊急の用事等)
- 天候や交通事情による通所困難
- 利用者本人の障害特性に起因する欠席(パニック、不安発作等)
算定対象外の欠席理由の例:
- 事前に予定していた休暇
- 旅行・レジャー等の私的な理由
- 事業所側の休業日
連絡・相談援助の具体的方法#
連絡・相談援助は以下の方法で実施できます2。
- 電話による安否確認と状況聴取(最も一般的)
- 訪問による直接の相談援助
- メール・LINE等による連絡(記録が残る方法)
電話による連絡が最も一般的ですが、利用者の障害特性に応じて適切な方法を選択してください。いずれの方法でも、連絡の内容を記録に残すことが重要です。
記録の書き方#
欠席時対応加算の算定根拠として、以下の情報を記録に残してください。
記録例:
欠席日: 2026年7月3日(木)
欠席理由: 朝から発熱(38.2℃)があり通所困難
連絡方法: 電話(10:15 利用者本人と通話)
相談援助内容: 体調を確認。午後に受診予定とのこと。
明日以降の通所見通しについて相談し、体調回復を
確認してから通所を再開することで合意。
対応職員: 山田太郎(サービス管理責任者)
算定を最大化するための仕組み#
欠席時の対応フローの整備#
欠席時対応加算を適切に算定するためには、事業所内に標準化された対応フローを整備しましょう。
- 朝の出席確認 — 通所予定の利用者が来所していない場合、30分以内に確認の連絡を入れる
- 状況確認 — 欠席理由と利用者の体調・状況を聴取する
- 相談援助 — 必要に応じて助言や情報提供を行う(通院の勧め、翌日の通所確認等)
- 記録作成 — 対応内容を記録用紙またはシステムに入力する
- 月次集計 — 月末に利用者ごとの欠席時対応回数を集計し、上限4回の管理を行う
算定漏れ防止のポイント#
- 欠席があった日にその日のうちに連絡を入れる習慣をつける
- 記録用紙(またはシステム)に欠席時対応の専用記録欄を設ける
- 月間の算定回数を一覧で管理し、4回の上限に注意する
- 請求事務担当者と支援員の間で情報共有のルーティンを作る
収益への影響#
就労継続支援B型(定員20名)の場合#
利用者20名のうち、月に1〜2回の突発的な欠席がある利用者が10名いると仮定すると、
- 月間の欠席時対応加算: 94単位 × 平均1.5回 × 10名 = 1,410単位
- 金額換算(10円/単位の場合): 約14,100円/月
- 年間: 約17万円
欠席時対応加算は1回あたりの単位数は小さいですが、適切な対応フローを整備すれば確実に算定できる加算です。対応漏れが積み重なると年間で大きな差が出ます。
他の加算との関係#
| 加算 | 併算定 |
|---|---|
| 初期加算 | 不可(欠席日は初期加算も算定不可) |
| 送迎加算 | 不可(欠席日は通所していないため) |
| 食事提供体制加算 | 不可(欠席日は食事を提供していないため) |
| 処遇改善加算 | 可(欠席時対応加算を含む基本報酬等の合計に対して算定) |
ポイント: 欠席時対応加算は、利用者がサービスを利用しなかった日に算定する加算であるため、当日のサービス利用を前提とする他の加算(送迎、食事提供等)とは併算定できません。
よくある質問#
Q. 利用者の家族から欠席の連絡があった場合、こちらから連絡しなくても算定できますか?#
算定できません。欠席時対応加算は、事業所が能動的に連絡・相談援助を行った場合に算定する加算です。家族からの欠席連絡を受けた場合でも、事業所から改めて利用者本人に連絡を取り、体調確認や相談援助を行う必要があります2。
Q. 同じ利用者が月に5回以上欠席した場合はどうなりますか?#
5回目以降の欠席については加算を算定できません。1月あたりの上限は4回です。ただし、連絡・相談援助は算定の有無にかかわらず実施してください2。
Q. 欠席した日の翌日に連絡した場合でも算定できますか?#
欠席当日に連絡できなかった場合でも、翌日以降に速やかに連絡・相談援助を行えば算定可能です。ただし、欠席から日数が空きすぎると「適切な対応」と認められない可能性があるため、原則として欠席当日中の対応を心がけてください2。
Q. 半日利用の予定だった利用者が午後から欠席した場合はどうなりますか?#
午前中にサービスを利用した場合は、当日の基本報酬(日額)が算定されるため、欠席時対応加算の対象にはなりません。欠席時対応加算は、終日欠席した場合に算定する加算です2。