指定申請とは#
障害福祉サービス事業所を開設するためには、都道府県知事(政令市・中核市の場合は市長)から事業者指定を受ける必要があります1。指定を受けずにサービスを提供することはできず、介護給付費等の請求も行えません。
指定申請は、事業所ごと・サービスの種類ごとに行います。就労継続支援A型とB型を併設する場合は、それぞれ個別に申請が必要です。
指定申請の流れ#
全体スケジュール#
| ステップ | 時期(開業日基準) | 内容 |
|---|---|---|
| 1. 事前相談 | 4〜6か月前 | 指定権者への相談、申請スケジュールの確認 |
| 2. 書類作成 | 3〜4か月前 | 申請書類一式の作成 |
| 3. 書類提出 | 2〜3か月前 | 指定権者への正式提出 |
| 4. 書類審査 | 1〜2か月前 | 内容の審査、補正依頼への対応 |
| 5. 現地確認 | 1か月前 | 設備・備品の現地確認(自治体による) |
| 6. 指定通知 | 開業前 | 指定番号の通知 |
| 7. 体制届提出 | 開業月 | 加算等の届出 |
事前相談のポイント#
多くの自治体では正式申請の前に事前相談を必須としています。事前相談では以下を確認します。
- 申請スケジュールと指定日(毎月1日 or 特定月のみ等)
- 物件の適合性(用途地域、建築基準法、消防法)
- 人員配置の見込みに問題がないか
- 自治体独自の要件の有無
必要書類一覧#
基本書類#
| # | 書類名 | 内容・備考 |
|---|---|---|
| 1 | 指定申請書 | 事業所の名称・所在地・サービスの種類等の基本情報 |
| 2 | 定款の写し | 事業目的に障害福祉サービス事業が記載されていること |
| 3 | 登記事項証明書 | 法人の登記情報(発行3か月以内) |
| 4 | 役員名簿 | 役員の氏名・住所・生年月日 |
| 5 | 欠格事由の誓約書 | 役員が欠格事由に該当しないことの誓約 |
人員関連書類#
| # | 書類名 | 内容・備考 |
|---|---|---|
| 6 | 管理者の経歴書 | 管理者の職歴・資格 |
| 7 | サービス管理責任者の経歴書 | 実務経験の証明が必要 |
| 8 | サビ管の資格証明書 | 相談支援従事者初任者研修+サビ管研修の修了証 |
| 9 | 従業者の勤務体制一覧 | 全職員の氏名・職種・勤務形態・常勤/非常勤 |
| 10 | 組織体制図 | 管理者・サビ管・直接処遇職員の関係 |
| 11 | 雇用契約書の写し(または内定通知書) | 採用予定者の雇用条件 |
| 12 | 資格証の写し | 該当職員の保有資格 |
設備関連書類#
| # | 書類名 | 内容・備考 |
|---|---|---|
| 13 | 平面図 | 各室の用途・面積を明記 |
| 14 | 設備・備品一覧 | 訓練室・相談室等の主要設備 |
| 15 | 建物の登記事項証明書 | 自己所有の場合 |
| 16 | 賃貸借契約書の写し | 賃貸の場合(使用目的に事業所使用が含まれること) |
| 17 | 建築基準法適合証明 | 用途変更が必要な場合の検査済証 |
| 18 | 消防計画書 | 消防署への届出済みであること |
| 19 | 写真 | 事業所の外観・内観(各室) |
運営関連書類#
| # | 書類名 | 内容・備考 |
|---|---|---|
| 20 | 運営規程 | サービスの提供方法・営業日・利用料等 |
| 21 | 利用者との契約書(ひな形) | 重要事項説明書を含む |
| 22 | 事業計画書 | 事業の概要・収支計画・利用者見込み |
| 23 | 収支予算書 | 初年度の収入・支出の見込み |
| 24 | 損害賠償保険証書 | 利用者の事故等に備えた保険加入証明 |
| 25 | 協力医療機関との契約書 | 緊急時の医療対応に関する協定 |
| 26 | 苦情解決体制の概要 | 苦情受付担当者・第三者委員の設置 |
サービス固有の追加書類#
| サービス | 追加書類 |
|---|---|
| 就労継続支援A型 | 生産活動収支計画書、雇用契約書ひな形、就業規則 |
| 就労継続支援B型 | 工賃支払い計画書、生産活動の内容説明書 |
| 就労移行支援 | 訓練プログラムの内容、企業連携の見込み |
| 就労定着支援 | 一体的運営する事業所の指定通知書の写し |
申請書類の作成ポイント#
運営規程に記載すべき事項#
運営規程には以下の事項を記載する必要があります1。
- 事業の目的及び運営の方針
- 従業者の職種、員数及び職務の内容
- 営業日及び営業時間
- 利用定員
- 指定障害福祉サービスの内容並びに支給決定障害者等から受領する費用の種類及びその額
- 通常の事業の実施地域
- サービスの利用に当たっての留意事項
- 緊急時等における対応方法
- 非常災害対策
- 事業の主たる対象とする障害の種類
- 虐待の防止のための措置に関する事項
- その他運営に関する重要事項
定款の事業目的の書き方#
法人の定款に記載する事業目的は、以下の文言を含める必要があります。
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」
自治体によっては、具体的なサービス種類(就労継続支援A型事業等)の記載を求める場合もあります。事前相談で確認してください。
指定後に必要な届出#
体制届(加算届)#
指定を受けた後、加算を算定するためには体制届の提出が必要です。
| 届出のタイミング | 適用開始 |
|---|---|
| 毎月15日以前に届出 | 翌月から算定開始 |
| 毎月16日以降に届出 | 翌々月から算定開始 |
| 前年度実績に基づく届出 | 4月中の届出で4月から適用 |
指定の更新#
指定の有効期間は6年間であり、更新手続きが必要です1。更新時には情報公表システムへの報告が完了していることが確認されます。
よくある質問#
Q. 申請から指定までどのくらいかかりますか?#
自治体により異なりますが、書類提出から指定まで1〜3か月程度が一般的です。事前相談から含めると4〜6か月程度の準備期間が必要です。
Q. 指定日は選べますか?#
多くの自治体では毎月1日を指定日としていますが、特定の月のみ受け付ける自治体もあります。事前相談で確認してください。
Q. 書類に不備があった場合はどうなりますか?#
指定権者から補正依頼が出されます。補正に応じない場合は不受理となり、書類一式が返戻されます2。
Q. 複数のサービスを同時に申請できますか?#
可能です。多機能型事業所として就労継続支援A型とB型を同時に申請する場合等は、共通部分をまとめて提出できる自治体が多いです。
Q. 個人事業主でも申請できますか?#
個人事業主では申請できません。障害福祉サービスの事業者指定は法人格を有することが要件です1。