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多機能型事業所の開設ガイド|A型・B型・移行支援の併設ルールと定員基準

公開: 2026年7月1日更新: 2026年7月1日

多機能型事業所とは#

多機能型事業所とは、複数の障害福祉サービスを一体的に運営する事業所です1。1つの事業所で就労継続支援A型とB型を併設する、就労移行支援と就労継続支援B型を組み合わせる等の運営形態が可能です。

組み合わせ可能なサービスの例:

パターンサービスの組合せ合計定員の目安
A型 + B型就労継続支援A型 + B型各10人以上(合計20人以上)
移行 + B型就労移行支援 + 就労継続支援B型各10人以上(合計20人以上)
移行 + A型就労移行支援 + 就労継続支援A型各10人以上(合計20人以上)
3サービス併設移行 + A型 + B型各6人以上(合計20人以上)
生活介護 + B型生活介護 + 就労継続支援B型各10人以上(合計20人以上)

多機能型のメリット#

経営上のメリット#

  • 人員の効率的配置:管理者・サービス管理責任者を兼務できるため、人件費を抑えられる
  • 設備の共用:相談室、多目的室、トイレ・洗面所等を共用できる
  • 利用者の柔軟な移行:A型からB型、B型から移行支援等への移行がスムーズ
  • 経営リスクの分散:複数サービスの収入で経営が安定しやすい

支援上のメリット#

  • 利用者の状態変化に対応:体調や能力に応じてサービスを切り替えられる
  • 段階的な支援:B型→A型→一般就労のステップアップを同一事業所内で実現
  • 情報共有の円滑化:同一法人・同一拠点で支援記録を共有できる

定員に関するルール#

基本ルール#

多機能型事業所の定員に関する主なルールは以下の通りです1

ルール内容
合計定員20人以上(原則)
各サービスの定員各6人以上(合計20人以上の場合)
2サービスの場合各10人以上が標準
3サービス以上各6人以上で合計20人以上

定員の具体例#

A型10人 + B型10人 = 合計20人 → ✅ 適合

移行6人 + A型6人 + B型8人 = 合計20人 → ✅ 適合

A型8人 + B型8人 = 合計16人 → ❌ 合計20人未満で不適合


人員配置基準#

兼務可能な職種#

多機能型事業所では、以下の職種について兼務が認められています1

職種兼務の可否条件
管理者✅ 兼務可管理業務に支障がない範囲
サービス管理責任者✅ 兼務可利用者60人以下で1名以上(全サービス通算)
職業指導員⚠️ 原則不可常勤換算で各サービスの基準を満たすこと
生活支援員⚠️ 原則不可同上
就労支援員⚠️ 原則不可就労移行支援固有の職種

サービス管理責任者の兼務#

サービス管理責任者は、多機能型事業所全体で利用者の合計が60人以下であれば1名の配置で足ります。60人を超える場合は追加の配置が必要となります。

直接処遇職員の配置#

職業指導員・生活支援員等の直接処遇職員は、各サービスの基準をそれぞれ満たす必要があります。

例:A型10人(10:1)+ B型20人(10:1)の場合

  • A型:常勤換算1.0人以上
  • B型:常勤換算2.0人以上
  • 合計3.0人以上の直接処遇職員が必要

ただし、実際の配置にあたっては、同一時間帯に複数サービスを提供する場合でも、利用者の支援に支障がなければ、一定の範囲で柔軟な運用が認められる場合があります。


設備基準#

共用可能な設備#

設備共用の可否条件
訓練・作業室⚠️ 条件付き可パーティション等で区分することが望ましい
相談室✅ 共用可予約制等で運用
洗面所・トイレ✅ 共用可
多目的室✅ 共用可
事務室✅ 共用可

訓練・作業室の考え方#

サービスごとに異なる生産活動や訓練を行う場合は、フロアの区分時間帯の使い分けで対応できます。ただし、利用者の安全管理の観点から、作業内容が大きく異なる場合は物理的な区分が推奨されます。


指定申請のポイント#

単独申請との違い#

多機能型事業所の指定申請では、以下の点に注意が必要です。

  • 申請書類はサービスごとに作成するが、共通部分は一括で提出できる
  • 運営規程はサービスごとに作成する(共通部分は統合可)
  • 平面図は各サービスの使用エリアを色分け等で明示する
  • 人員配置表はサービスごとの配置と兼務状況を明記する

事業計画書の書き方#

多機能型の事業計画書では、以下を明確にします。

  • 各サービスの想定利用者像利用者数の見込み
  • サービス間の利用者の移行計画(B型→A型→一般就労等)
  • 収支計画はサービスごとに分けて作成
  • 人員配置の兼務状況と常勤換算数

運営上の留意事項#

利用者のサービス変更#

多機能型事業所内でサービスを変更する場合(例:B型からA型へ)は、以下の手続きが必要です。

  • 市町村への支給決定の変更申請
  • 個別支援計画の見直し
  • サービス等利用計画の変更(相談支援事業所との連携)

報酬請求の注意#

多機能型事業所では、同一日に同一利用者が2つのサービスを利用することはできません。日単位でいずれかのサービスを選択して利用する形となります。

会計処理・記録管理#

多機能型事業所では、サービスごとに会計を区分して管理する必要があります。具体的には以下の点に注意してください。

  • 収入の区分:各サービスの報酬収入はサービスごとに記録する
  • 支出の按分:共通経費(家賃、水光熱費等)はサービスごとに合理的な基準で按分する
  • 利用実績の管理:日ごとに利用者がどのサービスを利用したかを正確に記録する
  • 個別支援計画:サービスごとに作成・管理する(利用者がサービスを変更する場合は計画の見直しが必要)

よくある質問#

Q. 途中から多機能型に変更できますか?#

既存のB型事業所にA型を追加する等、途中から多機能型に変更することは可能です。ただし、追加するサービスの指定申請と、既存サービスの変更届が必要となります。

Q. 多機能型と単独型で報酬に差はありますか?#

基本報酬に差はありません。ただし、各サービスの定員規模に応じた報酬区分が適用されるため、小規模な定員の場合は単位数が高くなる場合があります。

Q. A型とB型で異なる生産活動を行う必要がありますか?#

同じ生産活動を行うことは可能ですが、A型は雇用契約に基づく就労であり、B型は工賃支払いによる活動です。契約形態と賃金/工賃の取扱いは明確に区分する必要があります。


Footnotes#

  1. 厚生労働省「指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(平成18年厚生労働省令第171号)多機能型に関する特例 2 3