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【令和8年6月施行】障害福祉サービス報酬改定を徹底解説 — 処遇改善加算・B型基本報酬・新規事業所の3つの変更点

公開: 2026年6月23日更新: 2026年7月16日

令和8年6月施行 — 障害福祉報酬改定の3つのポイント#

令和8年6月1日から、障害福祉サービス等報酬の臨時改定が施行されます。今回の改定は「物価高騰への対応」と「福祉人材の確保」を目的としており、以下の 3つの柱 で構成されています。12

  1. 福祉・介護職員等処遇改善加算の加算率引上げ(全サービス対象)
  2. 就労継続支援B型の基本報酬区分の見直し(中間区分の新設)
  3. 新規事業所に係る報酬の適正化(基本報酬の引下げ特例)

本記事では、就労系サービス(就労選択支援・就労移行支援・就労継続支援A型・B型・就労定着支援)に焦点を当てて、改定内容を解説します。

🎬 動画でサクッと見る:この記事の要点は YouTube動画(約6分) でも解説しています。


処遇改善加算の加算率引上げ#

改定の概要#

令和6年度改定で一本化された「福祉・介護職員等処遇改善加算」の加算率が、物価上昇と人材確保の困難さを踏まえて引き上げられました。あわせて、生産性向上に取り組む事業所への上乗せ区分(「ロ」区分)が新設されています。1

新加算率テーブル(就労系5サービス)#

以下が令和8年6月施行の確定加算率です。1

サービスⅠイⅠロⅡイⅡロ
就労選択支援11.5%11.9%11.3%11.7%9.8%8.1%
就労移行支援11.5%11.9%11.3%11.7%9.8%8.1%
就労継続支援A型10.8%11.2%10.6%11.0%9.1%7.5%
就労継続支援B型10.5%10.9%10.3%10.7%8.8%7.4%
就労定着支援11.5%11.9%9.8%8.1%

※ 就労定着支援はⅡイ・Ⅱロの算定がありません(0/1000)。

※ 就労選択支援と就労移行支援は同一の加算率です。

「イ」と「ロ」の違い#

今回の改定で、全ての加算区分に 「イ」と「ロ」の2種類 が設けられました。1

区分要件差分
イ(従来型)処遇改善加算の基本要件を満たす
ロ(上乗せ型)上記に加え、生産性向上・協働化に係る取組を実施+0.4pt

「ロ」は「イ」の要件に上乗せして算定する上位区分で、令和8年度特例要件 を満たした場合に算定できます。具体的には、次の①②のいずれかに加えて③を満たすことが要件です。1

  1. 職場環境等要件のうち 生産性向上に関する取組を5つ以上 実施していること
  2. または 社会福祉連携推進法人に所属 していること
  3. かつ、加算Ⅱロ相当の加算額の 1/2以上を月給(基本給又は毎月支払われる手当) で配分していること

※ Ⅲ・Ⅳには「ロ」区分はありません。従来どおり1区分のみです。

施設版(指定障害者支援施設が行う場合)#

指定障害者支援施設が行う就労系サービスは、通常版とは別の加算率が設定されており、区分は Ⅰイ・Ⅰロ・Ⅲ・Ⅳ のみ(Ⅱイ・Ⅱロは適用なし) です。具体的な加算率は算定構造の該当箇所をご確認ください。

令和6年度からの引上げ幅#

令和6年度改定時の加算率と比較した引上げ幅は以下のとおりです。2

サービス令和6年度 Ⅰ令和8年6月 ⅠイⅠロ引上げ幅(イ)引上げ幅(ロ)
就労移行支援10.3%11.5%11.9%+1.2pt+1.6pt
就労継続支援A型9.6%10.8%11.2%+1.2pt+1.6pt
就労継続支援B型9.3%10.5%10.9%+1.2pt+1.6pt
就労定着支援10.3%11.5%11.9%+1.2pt+1.6pt

全サービスで イ区分+1.2ポイント、ロ区分+1.6ポイント の引上げです。


B型 基本報酬区分の基準の見直し#

改定の背景 — 算定式変更による「区分の想定外の上昇」への対応#

令和6年度改定で平均工賃月額の算定式が見直された結果、平均工賃月額が 約6千円上昇 し、想定以上に高い報酬区分に該当する事業所の割合が増加しました。これに対応するため、令和8年6月改定では基本報酬区分の 基準額を一律3千円引き上げ ます(引上げ幅は上昇分約6千円の1/2)。2

なお、区分判定に用いる平均工賃月額は、次の算定式(令和6年度改定で導入)で求めます。2

平均工賃月額 = 年間工賃支払総額 ÷(年間延べ利用者数 ÷ 年間開所日数)÷ 12月

激変緩和のための3つの配慮措置#

基準額の引上げで報酬区分が下がる事業所が生じるため、以下の配慮措置が講じられます。2

  1. 令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所 は、見直しの 適用対象外(従前の報酬区分をそのまま適用)
  2. 見直しにより区分が下がる事業所は、基本報酬の 減少額が3%程度に収まるよう、中間的な区分(A〜F)を新設
  3. 令和6年度改定で単価を引き下げた 区分七と八の間の基準額は据え置き(引き上げない)

改定後の区分・単位数(定員20人以下・サービス費(Ⅰ))#

配慮措置の対象となる事業所に適用される、中間区分を含む改定後の区分・単位数は次のとおりです。太字が今回新設された中間区分です。12

区分平均工賃月額単位数
(一)4万8千円以上837単位
(A)新設4万5千円以上4万8千円未満812単位
(二)3万8千円以上4万5千円未満805単位
(B)新設3万5千円以上3万8千円未満781単位
(三)3万3千円以上3万5千円未満758単位
(C・四)2万8千円以上3万3千円未満738単位
(D・五)2万3千円以上2万8千円未満726単位
(E)新設2万円以上2万3千円未満705単位
(六)1万8千円以上2万円未満703単位
(F)新設1万5千円以上1万8千円未満682単位
(七)1万円以上1万5千円未満673単位
(八)1万円未満590単位

※ 上記は定員20人以下の場合です。定員規模(21〜40人、41〜60人…)が大きくなるほど単位数は下がります(例:定員21〜40人の最上位区分=746単位)。

影響のイメージ#

例えば、平均工賃月額が4万6千円の事業所(区分が上がった=改定対象の場合)は、改定前は(一)「4万5千円以上」で837単位でしたが、基準額の引上げにより、改定後は新設された中間区分 (A)「4万5千円以上4万8千円未満」の812単位 になります(▲25単位・約3%減)。この中間区分A〜Fが、基準額引上げによる報酬の落差を約3%以内に抑える役割を果たします。

一方、令和6年度改定前後で区分が上がっていない事業所は適用対象外 で、従前の区分・単位数がそのまま維持されます。どの区分に該当するかは、前年度の平均工賃月額の実績に基づいて決まります。2


新規事業所に係る報酬の適正化#

対象サービスと引下げ率#

開設間もない事業所について、支援実績が蓄積されていない段階で高い報酬が算定されるケースへの対応として、基本報酬の引下げ措置が設けられます。2

対象サービス引下げ率実質引下げ率
就労継続支援B型984/1000▲1.6%
共同生活援助(介護サービス包括型・日中サービス支援型)972/1000▲2.8%
児童発達支援988/1000▲1.2%
放課後等デイサービス982/1000▲1.8%

※ 就労系サービスで対象となるのは B型のみ です。A型・移行・定着支援・選択支援は対象外です。

配慮措置(引下げ対象外となるケース)#

以下に該当する場合は、引下げ措置が適用されません(従前の報酬単価で算定)。2

重度障害者への配慮:

  • 医療連携体制加算(Ⅳ)を算定する事業所
  • 視覚・聴覚言語障害者支援体制加算(Ⅰ)または(Ⅱ)を算定する事業所
  • 高次脳機能障害者支援体制加算を算定する事業所

地域への配慮:

  • 離島・中山間地域(特別地域加算の対象地域)にある事業所
  • 自治体が客観的に必要であるとして設置する事業所(公募による設置、自治体からの補助を受けた設置等)

その他 — 就労系サービスへの影響まとめ#

サービス基本報酬処遇改善加算新規事業所引下げ
就労継続支援B型区分見直し引上げ対象
就労継続支援A型変更なし引上げ対象外
就労移行支援変更なし引上げ対象外
就労定着支援変更なし引上げ対象外
就労選択支援変更なし引上げ対象外

各サービスとも、処遇改善加算の加算率引上げは共通して適用されます。基本報酬の区分見直しと新規事業所引下げは B型のみ が対象です。


動画で振り返る#

この記事の3つのポイントは、対話形式の動画でも解説しています。通勤時間などの「ながら確認」にどうぞ。

▶️ 【令和8年6月】障害福祉の報酬改定、変わる3つのポイントをサクッと解説(YouTube)


出典#

Footnotes#

  1. 厚生労働省「令和8年度障害福祉サービス等報酬改定における改定事項について」(処遇改善加算率=p.3-4、B型基本報酬区分=p.9-10、新規事業所適正化=p.19-24) https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/001698008.pdf 2 3 4 5 6

  2. 厚生労働省「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」(令和6年度の処遇改善加算率=p.5) https://www.mhlw.go.jp/content/001216034.pdf 2 3 4 5 6 7 8 9

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