サービス管理責任者とは#
サービス管理責任者(サビ管)は、障害福祉サービス事業所において個別支援計画の作成とサービス提供プロセス全体の管理を担う専門職です1。
全ての障害福祉サービス事業所に配置が義務付けられており、利用者のアセスメント、個別支援計画の作成・モニタリング、従業者への技術的指導・助言を行う中核的な役割を果たします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配置義務 | 全ての指定障害福祉サービス事業所に必置 |
| 常勤/非常勤 | 原則として常勤かつ専従 |
| 配置基準 | 利用者60人以下で1名以上 |
| 資格要件 | 実務経験+研修修了 |
配置基準#
基本ルール#
| 利用者数 | 必要なサビ管の数 |
|---|---|
| 60人以下 | 1名以上 |
| 61〜120人 | 2名以上 |
| 121人以上 | 60人ごとに1名追加 |
常勤・専従の原則#
サービス管理責任者は常勤かつ専従が原則です。ただし、以下の兼務が認められる場合があります1。
| 兼務パターン | 可否 | 条件 |
|---|---|---|
| 管理者との兼務 | ✅ 可 | 管理業務に支障がない場合 |
| 多機能型の他サービスのサビ管 | ✅ 可 | 合計60人以下の場合 |
| 直接処遇職員との兼務 | ❌ 不可 | サビ管業務に専念すべき |
| 就労定着支援のサビ管 | ✅ 可 | 一体的運営の場合 |
資格要件#
必要な実務経験#
サービス管理責任者になるためには、以下のいずれかの実務経験が必要です2。
| 経験の種類 | 必要年数 |
|---|---|
| 相談支援業務の経験 | 3年以上 |
| 直接支援業務の経験(有資格者) | 3年以上 |
| 直接支援業務の経験(資格なし) | 8年以上 |
| 国家資格等による業務の経験 | 3年以上+国家資格に基づく実務3年以上 |
対象となる国家資格等#
以下の国家資格を持ち、かつ当該資格に基づく実務経験がある場合は、3年の実務経験で要件を満たします。
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 介護福祉士
- 保健師、看護師、理学療法士、作業療法士 等
必要な研修#
実務経験に加え、以下の研修を修了する必要があります2。
| 研修名 | 内容 | 受講時期 |
|---|---|---|
| 相談支援従事者初任者研修(講義部分) | 相談支援の基礎知識 | サビ管就任前 |
| サービス管理責任者基礎研修 | 個別支援計画の作成方法等 | サビ管就任前 |
| サービス管理責任者実践研修 | 実践的なスキル | 基礎研修修了後 2年以内のOJT経験を経て受講 |
研修体系の全体像#
サビ管になるまでの研修ステップは以下の通りです。
- 実務経験の充足
- 相談支援従事者初任者研修(講義部分)の受講
- サービス管理責任者基礎研修の受講
- OJT期間(2年以内)での実践経験
- サービス管理責任者実践研修の受講
- 以降、5年ごとに更新研修を受講
基礎研修修了者の暫定配置#
基礎研修のみ修了した者(実践研修未修了)でも、やむを得ない事由がある場合に限り、暫定的にサービス管理責任者として配置することが認められています2。
暫定配置の条件:
- 基礎研修を修了していること
- 実践研修の受講を予定していること
- 個別支援計画の作成にあたっては、他の事業所のサビ管等から技術的指導を受けること
サービス管理責任者の主な業務#
個別支援計画の作成#
サビ管の最も重要な業務は個別支援計画の作成です。以下のプロセスで行います。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. アセスメント | 利用者の心身の状況、生活環境、希望等を把握 |
| 2. 計画原案の作成 | アセスメント結果に基づき支援目標・内容を設定 |
| 3. 支援会議 | 担当職員と計画原案を協議 |
| 4. 利用者への説明・同意 | 計画内容の説明と書面での同意取得 |
| 5. 計画の交付 | 利用者に個別支援計画を交付 |
| 6. モニタリング | 少なくとも6か月に1回の見直し |
サービス提供の管理#
- 従業者への技術的指導・助言
- サービスの質の評価と改善
- 利用者の権利擁護(虐待防止、苦情対応)
関係機関との連携#
- 相談支援事業所との連携(サービス等利用計画との整合)
- 医療機関との情報共有
- 行政への報告・届出
確保が困難な場合の対応策#
サービス管理責任者の確保は全国的に課題となっています。以下の対応策を検討してください。
早期の人材確保#
- 開業の1年以上前から採用活動を開始する
- 既存職員に研修受講の機会を提供して資格取得を促す
- 他の障害福祉サービス事業所からの転職者を採用する
研修のスケジュール管理#
- 都道府県ごとに研修の開催時期が異なるため、早めに確認する
- 基礎研修は年1〜2回しか開催されない場合があるため、受講機会を逃さない
- 実践研修も同様に計画的に受講させる
複数事業所を運営する法人の場合#
法人内の複数事業所間でサビ管を融通することは原則としてできませんが、法人全体で計画的に研修受講を進めることで、将来的な人材不足に備えることが重要です。新規事業所の開設を検討する場合は、既存事業所でのOJTを活用して次のサビ管候補を育成しておくことをおすすめします。
よくある質問#
Q. サビ管が退職した場合、事業所は運営できなくなりますか?#
サービス管理責任者は必置であり、不在の場合はサービス管理責任者欠如減算が適用されます。4か月目までは所定単位数の**70%で算定(30%減算)、5か月目以降は所定単位数の50%**で算定(50%減算)されます3。さらに長期化すると指定取消しの対象となりうるため、早急に後任を確保する必要があります。
なお、欠如が発生した翌月の末日までに新たなサビ管を配置し変更届が受理された場合は、減算は適用されません。
Q. 管理者がサビ管を兼務する場合、研修は両方必要ですか?#
管理者に特定の研修要件はありませんが、サビ管として配置する場合は当然サビ管の研修修了が必要です。
Q. 他の事業所のサビ管と兼務できますか?#
同一法人が運営する他の事業所のサビ管との兼務は、原則として認められません。ただし、多機能型事業所内のサービス間では兼務が可能です。
Q. サビ管の更新研修を受講しなかった場合はどうなりますか?#
更新研修は5年ごとに受講が必要であり、未受講の場合はサビ管としての資格が失効します。事業所の運営に直接影響するため、計画的な受講管理が不可欠です。