移行準備支援体制加算とは?(制度の概要)#
移行準備支援体制加算は、就労移行支援事業所が利用者の一般就労への移行を促進するために、事業所の外で行う施設外支援(職場実習や求職活動など)を実施した場合に算定できる加算です1。
事業所内での訓練だけでなく、実際の企業での実習やハローワークでの求職活動に職員が同行して支援を行うことで、利用者の就労移行をより実践的にサポートする取り組みを報酬上評価する仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象サービス | 就労移行支援 |
| 加算単位数 | 41単位/日 |
| 算定単位 | 該当する利用者の数および該当日数に応じて算定 |
| 利用者数上限 | 1日あたり利用定員の50%以下 |
| 根拠規定 | 報酬告示第12の13のイ |
施設外支援の定義と対象となる活動#
施設外支援とは#
施設外支援とは、指定障害福祉サービス事業所等とは別の場所で行われる支援のうち、企業内等で行われる企業実習等への支援を指します2。具体的には「企業内等で常時又は一定期間に亘って指定障害福祉サービス事業所等とは別の場所を中心に行われる支援」であり、屋外等で一時的に行われる通常の支援の延長は含まれません2。
加算の対象となる2つの活動#
移行準備支援体制加算の対象となる活動は、大きく**「職場実習等」と「求職活動等」**の2種類に分かれます3。
職場実習等(注の⑴)
- 企業及び官公庁等における職場実習
- 職場実習に係る事前面接、期間中の状況確認
- 実習先開拓のための職場訪問、職場見学
- その他必要な支援
求職活動等(注の⑵)
- ハローワークでの求職活動
- 地域障害者職業センターによる職業評価等
- 障害者就業・生活支援センターへの登録等
- その他必要な支援
算定要件の詳細#
要件1:職員の同行または職員のみの活動#
移行準備支援体制加算を算定するためには、上記の職場実習等または求職活動等について、職員が同行して活動を行った場合、または職員のみにより活動を行った場合であることが必要です3。
ここでいう「職員」とは、サービス管理責任者、職業指導員、生活支援員、就労支援員等を指します。利用者だけで実習先に行き、職員が一切関与しない場合は算定できません。
要件2:利用者数の上限#
算定対象となる利用者は、1日あたりの利用定員の50%以下である必要があります1。
| 利用定員 | 1日あたりの算定上限人数 |
|---|---|
| 10人 | 5人まで |
| 15人 | 7人まで |
| 20人 | 10人まで |
| 30人 | 15人まで |
| 40人 | 20人まで |
要件3:個別支援計画への位置付け#
施設外支援を実施する場合は、利用者ごとの個別支援計画に施設外支援の内容を位置付けることが必要です4。
なお、令和6年度報酬改定により、施設外支援における個別支援計画の定期的な見直し期間は、従来の**「1週間ごと」から「1か月ごと」**に変更されています5。
要件4:緊急時の対応体制#
施設外支援の実施にあたっては、緊急時の対応体制を整備しておく必要があります4。実習先との連絡体制、事故発生時の対応手順などをあらかじめ定めておきましょう。
施設外支援における職員配置のルール#
施設外支援を行う場合の職員配置については、以下の点に注意が必要です4。
施設外支援先への配置
報酬算定上必要とされる人数を、常勤換算により随行させる必要があります。人員配置区分に応じた人数の職員を施設外支援先に配置しなければなりません。
事業所内の配置
施設外支援を行う利用者を除いた利用者数に対し、報酬算定上必要とされる職員を常勤換算により事業所内に配置する必要があります。
つまり、施設外支援先と事業所内の両方で必要な人員配置を満たす必要があり、人員配置基準を下回ると報酬を請求できなくなる可能性があるため注意してください。
実務上の留意点#
記録の保管#
令和6年度報酬改定により、施設外支援(施設外就労)の実績報告書の提出義務は廃止されました5。ただし、事業所において適切に実績記録書類を保管し、自治体からの求めに応じて確認できるようにしておく必要があります。
記録として残すべき事項は以下のとおりです。
- 実習先の名称・所在地
- 実習の期間・日程
- 同行した職員の氏名
- 利用者の活動内容と状況
- 支援の内容と結果
施設外支援と基本報酬の関係#
施設外支援を行った日についても、就労移行支援サービス費(基本報酬)は通常どおり算定できます2。移行準備支援体制加算は基本報酬に上乗せして算定するものであり、基本報酬の代わりに算定するものではありません。
他の加算との関係#
移行準備支援体制加算は、施設外支援を行った日に算定するものです。同日に送迎加算を算定する場合の取り扱いについては、自治体の解釈に従ってください。
算定開始の届出#
移行準備支援体制加算の算定を開始する場合は、事前に指定権者(都道府県または政令市・中核市)へ体制届(加算届)を提出する必要があります。届出が受理された翌月から算定が可能となります。
よくある質問#
Q. 職員が同行せず、利用者だけで企業実習に行った場合は算定できますか?#
算定できません。移行準備支援体制加算は、職場実習等または求職活動等について職員が同行又は職員のみにより活動を行った場合に算定するものです3。職員が一切関与しない活動は対象外となります。
Q. 実習先の開拓のために職員だけで企業を訪問した場合も算定できますか?#
算定できます。留意事項通知において「職場実習等」の範囲には**「実習先開拓のための職場訪問、職場見学」が含まれており、「職員のみにより活動を行った場合」**も算定対象とされています3。ただし、この場合は利用者が施設外支援を受けた日には該当しないため、利用者に対する加算ではなく、職員の活動に対する加算として整理される点に注意してください。
Q. 1日に利用定員の50%を超える人数が施設外で活動した場合はどうなりますか?#
利用定員の50%を超えた場合、超えた分の利用者については移行準備支援体制加算を算定できません1。50%以内の人数分についてのみ算定が可能です。
Q. 個別支援計画の見直しはどのくらいの頻度で行う必要がありますか?#
令和6年度報酬改定により、施設外支援に係る個別支援計画の見直し頻度は1か月ごとに変更されました5。改定前は1週間ごとの見直しが求められていましたが、事務負担の軽減を目的として緩和されています。
Q. 施設外支援と施設外就労の違いは何ですか?#
施設外支援は企業内等で行われる企業実習等への支援を指し、施設外就労は企業等から請け負った作業を当該企業等で行う支援を指します2。移行準備支援体制加算は施設外支援(企業実習等)に関連する加算であり、施設外就労とは対象が異なります。