A型就労移行支援

就労支援関係研修修了加算の算定要件と対象研修・経過措置を解説

公開: 2026年6月30日更新: 2026年6月30日

就労支援関係研修修了加算とは#

就労支援関係研修修了加算は、就労支援に関する一定の研修を修了した常勤の就労支援員を配置している事業所に対して、1日につき6単位が加算される制度です1

就労支援の質を高めるために、専門的な研修を受けた職員の配置を報酬面で評価する仕組みであり、対象となる事業所は就労移行支援と就労継続支援A型の2サービスです。

項目内容
加算名就労支援関係研修修了加算
単位数1日につき6単位
対象サービス就労移行支援、就労継続支援A型
対象職種常勤の就労支援員
主な要件就労支援に関する研修の修了 + 1年以上の実務経験

対象サービスと算定の位置付け#

就労支援関係研修修了加算を算定できるのは、以下の2つのサービスです。

  • 就労移行支援
  • 就労継続支援A型

いずれのサービスにおいても、加算の単位数は共通で1日につき6単位です1。就労継続支援B型は対象外となりますのでご注意ください。

この加算は「人員の質」に着目した加算であり、福祉専門職員配置等加算(資格保有者の配置割合に基づく加算)とは別に算定が可能です。

算定要件の詳細#

就労支援関係研修修了加算を算定するためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。

要件チェックリスト#

  • 就労支援に関する研修を修了した常勤の就労支援員を1名以上配置していること
  • 当該職員が就労支援に従事する者として1年以上の実務経験を有していること
  • 当該事業所における就労定着者の割合が零でないこと(前年度に就労定着者が1名以上いること)2

「1年以上の実務経験」の範囲#

留意事項通知では、「就労支援に従事する者として1年以上の実務経験」の範囲を以下のように定めています2

  • 就労移行支援事業における就労支援員としての1年以上の実務経験
  • 障害者の就労支援を実施する機関における実務経験
  • 医療・保健・福祉・教育に関する機関における障害者の就労支援業務
  • 障害者団体における障害者の就職または雇用継続のための業務
  • 障害者雇用事業所における障害者の就労支援業務

具体的な業務としては、以下が該当します2

  • 職業指導、作業指導等に関する業務
  • 職業訓練に関する業務
  • 就職・雇用継続の相談・助言に関する業務

就労定着者の割合に関する制限#

この加算には、事業所の就労実績に関する重要な制限があります2

  • 事業所の就労定着者の割合が零(=前年度に就職して6か月以上定着した利用者がゼロ)の場合は、加算を算定できません
  • 新規指定から1年間は就労定着者の実績がないため、算定できません
  • 新規指定後2年目から、前年度に就労定着者がいた場合には算定が可能になります

対象となる研修の種類#

就労支援関係研修修了加算の対象となる研修は、障害者の就労支援に関する専門的な研修です。主な対象研修は以下のとおりです。

研修名実施主体概要
就労支援員等研修独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)就労支援の基礎知識・技法を学ぶ研修
職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修JEED、都道府県等職場適応援助者として必要な知識・技術を習得する研修
障害者就業・生活支援センター職員研修JEED就業・生活支援センター職員向けの専門研修

基礎的研修との関係(経過措置)#

令和6年度改定により、就労支援員には「基礎的研修」の受講が義務付けられました。ただし、令和9年度までは経過措置として、基礎的研修を受講していない場合でも指定基準を満たすものとして取り扱われます3

この経過措置期間中は、基礎的研修を受講した場合に就労支援関係研修修了加算を算定できることとされています3。つまり、経過措置期間中の基礎的研修の受講は、配置基準の充足ではなく加算の算定要件として位置付けられています。

※ 令和10年度以降は基礎的研修の受講が就労支援員の配置基準となる見込みです。経過措置期間中に計画的な受講を進めることが重要です。

届出・算定に必要な書類#

就労支援関係研修修了加算を算定する際に、一般的に必要となる書類は以下のとおりです。

  • 体制届(加算届出書): 加算を算定する旨を指定権者(都道府県・政令市等)に届け出る書類
  • 研修修了証の写し: 対象研修を修了したことを証明する書類
  • 実務経験証明書: 就労支援に従事した1年以上の実務経験を証明する書類(前職の場合は在職証明書等)
  • 勤務形態一覧表: 常勤の就労支援員として配置されていることを示す書類
  • 就労定着者の実績に関する書類: 前年度の就労定着者数を確認できる書類

※ 届出様式や添付書類は指定権者(都道府県・政令市等)によって異なります。必ず管轄の行政窓口に確認してください。書類は原則として5年間保存する義務があります。

実務上の注意点#

算定開始のタイミング#

加算の届出は、算定を開始する月の前月15日までに行うのが一般的です(届出期限は自治体によって異なる場合があります)。研修の修了見込みではなく、修了後に届け出る必要があります。

常勤要件に注意#

対象となる就労支援員は常勤でなければなりません。非常勤やパートタイムの就労支援員が研修を修了しても、加算の対象にはなりません。常勤の定義(週32時間以上の勤務等)は、事業所の就業規則における所定労働時間に基づきます。

福祉専門職員配置等加算との併算定#

就労支援関係研修修了加算と福祉専門職員配置等加算は、併算定が可能です。福祉専門職員配置等加算は社会福祉士・介護福祉士等の配置割合に基づく加算であり、就労支援関係研修修了加算は研修修了を要件とする別の加算です。

年度途中の異動・退職への対応#

研修修了者が年度途中に退職・異動した場合、要件を満たさなくなった時点で速やかに届出の変更(加算の取下げ届)が必要です。後任者が研修修了済みであれば継続算定が可能ですが、研修未修了の場合は加算の算定を停止しなければなりません。

よくある質問#

Q. 就労継続支援B型でも算定できますか?#

就労支援関係研修修了加算は、就労移行支援と就労継続支援A型のみが対象です。就労継続支援B型は対象外となっています1

Q. 新規開設した事業所ではいつから算定できますか?#

新規指定を受けた事業所では、就労定着者の割合が零であるため、指定から1年間は算定できません。2年目以降、前年度に就労定着者がいた場合に算定が可能となります2

Q. 複数の就労支援員が研修を修了している場合、加算は増えますか?#

就労支援関係研修修了加算は、研修修了者の人数にかかわらず1日につき6単位の定額です。複数名が修了していても加算額は変わりませんが、1名が退職しても他の修了者がいれば加算を継続できるメリットがあります。

Q. 基礎的研修だけで加算を算定できますか?#

令和9年度までの経過措置期間中は、基礎的研修の受講をもって就労支援関係研修修了加算を算定できます3。ただし、1年以上の実務経験や就労定着者の実績など、その他の要件も満たす必要があります。

Q. 実務経験は就労移行支援事業所での経験に限られますか?#

限られません。障害者の就労支援を実施する機関(障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター等)や、医療・保健・福祉・教育に関する機関での障害者就労支援業務も実務経験として認められます2

Footnotes#

  1. 厚生労働省「障害福祉サービス等報酬告示」就労移行支援・就労継続支援A型の算定構造 2 3

  2. 厚生労働省「障害福祉サービス等報酬に関する留意事項通知」p.269 2 3 4 5 6

  3. 厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」(令和6年度改定) 2 3