B型

目標工賃達成指導員配置加算の算定要件|対象は6:1配置(サービス費(Ⅰ)(Ⅳ))・総数5:1

公開: 2026年1月15日更新: 2026年8月19日

就労継続支援B型の目標工賃達成指導員配置加算は、工賃目標の達成に向けて専門の指導員(目標工賃達成指導員)を上乗せ配置した事業所を評価する加算です。対象は人員配置6:1のサービス費(Ⅰ)・(Ⅳ)を算定する事業所に限られ、指導員を加えた総数が**利用者数÷5以上(実質5:1)**であることが要件です[^1][^2]。本記事では、単位数・算定要件・目標工賃達成加算(10単位)との関係を、報酬告示と留意事項通知の記載に沿って整理します。

単位数(1日につき・定員規模別)#

目標工賃達成指導員配置加算の単位数は、利用定員に応じて次のとおりです[^1]。

利用定員単位数(1日につき)
20人以下45単位
21人以上40人以下40単位
41人以上60人以下38単位
61人以上80人以下37単位
81人以上36単位

試算例:定員20人・1日平均利用者18人・月22日開所・1単位10円の場合 45単位 × 18人 × 22日 × 10円 = 月額 約178,200円 の増収(地域区分単価により変動します)

算定要件#

留意事項通知は、この加算の要件を次のとおり定めています[^2]。

  • 要件1: **就労継続支援B型サービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)**を算定する事業所であること(いずれも人員配置6:1の類型)
  • 要件2: 目標工賃達成指導員を常勤換算方法で1人以上配置していること
  • 要件3: 当該目標工賃達成指導員、職業指導員及び生活支援員の総数が、利用者数を5で除して得た数以上であること
  • 届出: 都道府県知事又は市町村長に対し、所定の様式による届出を行うこと[^1]

配置の構造 — 10:1 → 6:1 → 5:1の階段#

B型の人員配置には3つの水準があり、この加算は最上段に位置します。

水準配置(職業指導員・生活支援員等の総数)位置づけ
10:1利用者数÷10以上指定基準(人員基準)上の最低ライン[^3]
6:1利用者数÷6以上サービス費(Ⅰ)・(Ⅳ)の要件(令和6年度改定で新設)[^2][^4]
5:1指導員+職業指導員+生活支援員の総数が利用者数÷5以上本加算の要件[^2]

総数の計算には目標工賃達成指導員自身も算入されます(通知は「当該目標工賃達成指導員、職業指導員及び生活支援員の総数」と規定)[^2]。つまり6:1配置の事業所が指導員を常勤換算1人以上上乗せし、全体として5:1水準に達している状態を評価する加算です。

計算例(利用者数20人の場合):20 ÷ 5 = 常勤換算4.0以上(指導員・職業指導員・生活支援員の合計)。うち目標工賃達成指導員が常勤換算1人以上。

サービス費(Ⅱ)・(Ⅲ)・(Ⅴ)・(Ⅵ)の事業所は対象外#

対象は6:1配置の(Ⅰ)・(Ⅳ)に限られるため、7.5:1配置((Ⅱ)・(Ⅴ))や10:1配置((Ⅲ)・(Ⅵ))の事業所は算定できません[^2]。加算取得を目指す場合は、まず基本報酬の区分を6:1類型へ引き上げる体制整備が先になります(「B型の人員配置基準」参照)。

目標工賃達成指導員とは#

留意事項通知は、目標工賃達成指導員を「工賃目標の達成に向けて、各都道府県において作成される工賃向上計画に基づき、自らも工賃向上計画を作成し、当該計画に掲げた工賃目標の達成に向けて積極的に取り組むための指導員」と定義し、取り組みの例として次を挙げています[^2]。

  • 国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(障害者優先調達推進法)に基づく積極的な物品・役務等の受注促進
  • 地域と連携した農福連携等の取組を通じた新たな生産活動領域の開拓
  • ICT機器等の導入による利用者の生産能力向上

資格要件は告示・通知に定められていません。生産活動収入の向上(受注開拓・販路拡大・生産性改善)を推進できる人材の配置が想定されています。

目標工賃達成加算(10単位)との関係#

この加算の対象事業所が、自ら作成した工賃向上計画に掲げた工賃目標を実際に達成すると、さらに**目標工賃達成加算(10単位/日)**を算定できます[^1]。

目標工賃達成指導員配置加算目標工賃達成加算
評価するもの指導員の配置(体制)工賃目標の達成(成果)
単位数定員規模別 45〜36単位/日10単位/日
工賃目標の達成要件ではない要件(目標額には最低ラインの基準あり)

配置加算は体制への評価なので、工賃目標を達成できなかった年度でも、配置と5:1の要件を満たしている限り算定は継続します。達成した場合の上乗せが目標工賃達成加算です。詳細は「目標工賃達成加算の算定要件と工賃向上計画」を参照してください。

A型に同名の加算はない#

目標工賃達成指導員配置加算は、報酬告示別表**第14(就労継続支援B型)**に規定された加算であり、第13(就労継続支援A型)の単位数表には規定されていません[^1]。A型は雇用契約に基づき最低賃金以上の賃金を支払う制度であり、賃金向上への取り組みはスコア方式(労働時間・生産活動収支等の評価項目)で基本報酬に反映されます(「A型の賃金支払い要件」参照)。

実務チェックリスト#

  • 基本報酬でサービス費(Ⅰ)または(Ⅳ)(6:1)を算定しているか((Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅴ)(Ⅵ)は対象外)
  • 目標工賃達成指導員を常勤換算1人以上配置しているか(勤務形態一覧表で区分を明示)
  • 指導員・職業指導員・生活支援員の総数が利用者数÷5以上か(利用者数は前年度平均・新規は推計)
  • 都道府県の工賃向上計画を確認し、事業所の工賃向上計画を作成・提出しているか
  • 体制等に関する届出書を指定権者へ提出したか
  • 指導員の業務内容(受注促進・販路開拓・生産性向上等)を記録に残しているか(運営指導での確認対象)

よくある質問#

Q. 目標工賃達成指導員は職業指導員や生活支援員と兼務できますか?#

告示・留意事項通知に、目標工賃達成指導員の専従を求める規定や兼務を禁止する規定はありません。ただし、要件は「指導員を常勤換算1人以上」+「指導員・職業指導員・生活支援員の総数5:1以上」であり、同一人物の勤務時間を複数の職種に二重計上することはできないため、勤務時間の区分を明確にする必要があります。具体的な兼務の取扱いは指定権者に確認してください。

Q. 工賃目標を達成できなかったら、この加算は取り消されますか?#

工賃目標の達成は、目標工賃達成指導員配置加算の要件ではありません[^2]。達成を要件とするのは別の加算(目標工賃達成加算・10単位)です。配置と総数5:1の要件を満たしている限り、配置加算の算定は継続できます。

Q. 単位数が「89単位」という情報を見かけましたが正しいですか?#

正しくありません。目標工賃達成指導員配置加算の単位数は定員規模別に**45/40/38/37/36単位(1日につき)**です[^1]。89単位という数値は、基本報酬のサービス費(Ⅰ)と(Ⅱ)の単位数差(区分(一)・定員20人以下で837−748=89単位)と混同されたものとみられます。

Q. 指導員に必要な資格はありますか?#

告示・通知に資格要件の定めはありません。工賃向上計画の推進(受注促進・販路開拓・生産性向上)を担える人材であることが実質的な要件です[^2]。

制度上の根拠#

  • 報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)別表 第14の13 目標工賃達成指導員配置加算(定員規模別単位数・届出)・第14の13の2 目標工賃達成加算[^1]
  • 留意事項通知(就労継続支援B型サービス費・⑰目標工賃達成指導員配置加算の取扱い)[^2]
  • 指定基準(平成18年厚生労働省令第171号)第199条において準用する第186条(職業指導員及び生活支援員の員数)[^3]
  • 令和6年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容(人員配置6:1の報酬体系の創設)[^4]

この内容、無料セミナーで専門家がくわしく解説します。

セミナーに申し込む(無料)