利用者負担上限額管理加算とは — 制度の基本ルール#
利用者負担上限額管理加算は、複数の障害福祉サービスを利用している利用者の自己負担額が、月額上限額を超えないよう管理する業務を行った事業所に対して算定できる加算です1。
障害福祉サービスの利用者負担は、所得に応じた月額上限額が設定されています。利用者が複数の事業所を利用する場合、各事業所での利用者負担を合算し、上限額を超えないよう管理する必要があります。この管理業務を行う事業所を「上限額管理事業所」と呼び、その業務に対する報酬がこの加算です。
単位数と算定単位#
| 加算名 | 単位数 | 算定単位 |
|---|---|---|
| 利用者負担上限額管理加算 | 150単位 | 1月につき |
上限額管理事業所が、利用者負担額の上限額管理を行った場合に、月あたり150単位を算定します1。
利用者負担の上限額制度#
所得区分と月額上限額#
障害福祉サービスの利用者負担は、利用者本人(および配偶者)の所得に応じて以下の月額上限額が設定されています2。
| 所得区分 | 対象 | 月額上限額 |
|---|---|---|
| 生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
| 低所得 | 市町村民税非課税世帯 | 0円 |
| 一般1 | 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)※居宅で生活する障害者 | 9,300円 |
| 一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
※ 20歳未満の障害児については別途の区分が適用されます。
上限額管理が必要なケース#
利用者負担の月額上限額管理が必要となるのは、利用者が2つ以上の事業所(同一事業所の異なるサービスを含む)を利用している場合です2。
1つの事業所しか利用していない場合は、その事業所の利用者負担が上限額を超えることがないため、上限額管理は不要です。
上限額管理事業所の決定#
管理事業所の選定ルール#
複数の事業所を利用する利用者の上限額管理は、原則として以下の優先順位で決定します2。
- 施設入所支援またはグループホームを利用している場合 → 当該施設が管理事業所
- 上記以外の場合 → 利用者負担額が最も多い事業所が管理事業所
- 利用者負担額が同額の場合 → 利用者が選択した事業所が管理事業所
管理事業所の業務#
上限額管理事業所は、以下の業務を行います2。
- 利用者が利用する全事業所の利用者負担額を把握
- 月額上限額を超えないよう負担額の調整を実施
- 利用者負担上限額管理結果票の作成・関係事業所への送付
- 毎月の管理結果の記録・保存
算定要件チェックリスト#
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 上限額管理事業所に選定 | 利用者・市区町村から管理事業所として指定されている |
| 複数事業所の利用 | 利用者が2つ以上の事業所を利用している |
| 管理業務の実施 | 利用者負担上限額管理結果票を作成し、関係事業所に通知 |
| 記録の保存 | 管理結果票等を5年間保存 |
実務上の注意点#
利用者負担上限額管理結果票の作成#
上限額管理の中核となる書類が利用者負担上限額管理結果票です。この書類は以下の内容を記載して作成します2。
- 利用者の氏名・受給者証番号
- 月額上限額
- 利用している全事業所名と各事業所の利用者負担額
- 上限額管理の結果(調整の有無・調整額)
- 管理結果(上限額を超えている場合の各事業所への按分結果)
関係事業所への通知#
管理結果票は、利用者が利用するすべての事業所に送付する必要があります。各事業所は、通知された管理結果に基づいて利用者負担額を確定し、国保連への請求を行います2。
月途中の利用開始・終了#
月途中で利用者が新たな事業所の利用を開始した場合や、利用を終了した場合も、その月の利用者負担の合計額が上限額を超えないよう管理する必要があります。
生活保護・低所得の利用者#
月額上限額が0円の利用者(生活保護・低所得世帯)は、利用者負担が発生しないため、上限額管理の業務自体は必要ですが、実質的な調整業務は発生しません。この場合も、管理事業所として管理業務を行っていれば加算の算定は可能です2。
算定上の落とし穴#
1つの事業所しか利用していない場合#
利用者が1つの事業所しか利用していない場合は、上限額管理が不要であるため、利用者負担上限額管理加算は算定できません。
管理事業所以外の事業所#
上限額管理加算を算定できるのは管理事業所のみです。管理される側の事業所は加算を算定できません。
計画相談支援事業所の役割#
計画相談支援事業所(相談支援専門員)は、利用者の利用状況全体を把握しているため、上限額管理事業所の選定に関与することがあります。ただし、計画相談支援事業所自体が管理事業所になるわけではありません。
よくある質問#
Q. 上限額管理事業所は利用者が自由に選べますか?#
原則として、優先順位のルール(入所施設 → 利用者負担額が最も多い事業所)に基づいて決定されます。ただし、同額の場合など選択の余地がある場合は、利用者の希望が反映されます2。
Q. 利用者負担が上限額に達しない月でも加算は算定できますか?#
算定できます。利用者負担上限額管理加算は、上限額管理の業務を行ったことに対する加算であり、結果として上限額に達しなくても管理業務を実施していれば算定可能です2。
Q. 利用者が月途中で事業所を変更した場合の取扱いは?#
月途中で事業所が変更になった場合でも、その月に複数の事業所を利用している事実があれば、管理事業所は上限額管理を行い加算を算定できます。変更前の事業所の利用者負担額も含めて管理が必要です。
Q. 児童のサービスと成人のサービスを併用している場合も対象ですか?#
児童のサービス(児童発達支援・放課後等デイサービス等)と成人の障害福祉サービスでは、利用者負担の制度が異なります。両方を利用している場合の上限額管理については、管轄の市区町村に確認してください2。